自閉症スペクトラム(ASD)ってなに?特徴と寄り添い方をやさしく解説

最近よく耳にする「自閉症スペクトラム(ASD)」という言葉。「なんとなく知っているけれど、具体的にどんな特徴があるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ASDの基本的な知識から、明日から使えるサポートのコツまで、専門用語を控えめに分かりやすく解説します。


1. 自閉症スペクトラムの「2つの柱」

自閉症スペクトラム(以下ASD)は、主に**「人との関わり方」と「こだわり」**という2つの面で、独特のスタイルを持っている状態を指します。

① コミュニケーションの独特さ

  • 空気を読むのが苦手: 相手の表情やその場の雰囲気から「言外の意味」を察するのが難しいことがあります。
  • 言葉の受け取り方がストレート: 冗談や比喩(例:「耳にタコができる」など)を文字通りに受け取ってしまうことがあります。

② こだわりと感覚の特性

  • ルーティンを大切にする: 「いつもと同じ順番」「決まった道順」に強く安心感を覚えます。急な予定変更は、私たちが想像する以上に不安を感じやすいポイントです。
  • 感覚の敏感さ・鈍感さ: 多くの人が気にならない「時計の音」が耳を塞ぎたくなるほど大きく聞こえたり、特定の服のタグが痛く感じたりすることがあります。

2. なぜ「スペクトラム」と呼ぶの?

「スペクトラム」とは、**「連続体(つながり)」**という意味です。

以前は「アスペルガー症候群」や「自閉症」など細かく名前が分かれていましたが、現在は**「虹の色のように、境界線がはっきりせず、地続きである」**という考え方から、ひとまとめにして呼ばれるようになりました。

Point!

症状の出方は人それぞれ。「話し好きのASDの人」もいれば「一人が好きなASDの人」もいます。十人十色のグラデーションがあるのが特徴です。


3. 正しく知っておきたい「原因」のこと

「親の育て方や愛情不足が原因では?」という誤解がかつてはありましたが、これは明確な間違いです。

現在は、**「生まれつきの脳の働きの違い」**によるものだと分かっています。しつけの問題ではなく、情報の処理の仕方が、多数派の人とは少し異なっているだけなのです。


4. 今日からできる「サポートの3つのコツ」

ASDの方が過ごしやすくなるためには、周りの「ちょっとした工夫」が大きな力になります。

① 「見える化」で安心を届ける

耳で聞く情報は消えてしまいますが、目は情報をとどめておけます。「次はこれをするよ」と写真やイラスト、メモで見せてあげると、ぐっと理解しやすくなります。

② 具体的な言葉で伝える

「ちゃんとして」「適当に」といった曖昧な表現は避けましょう。

❌ 伝わりにくい表現⭕️ 伝わりやすい表現
「ちょっと待って」「針が『3』に来るまで待ってね」
「片付けて」「おもちゃをこの箱に入れてね」
「走らないで!」「ゆっくり歩こうね」

③ 刺激をコントロールする

音が苦手な人には「イヤーマフ」を、眩しさが苦手な人には「サングラス」を。本人が「苦手だな」と感じる刺激を減らせる環境を整えてあげましょう。


5. チームで支えるということ

ASDを持つご本人やご家族だけで抱え込む必要はありません。

学校、職場、地域の相談支援センター、医療機関など、「点」ではなく「面」で支えるチームを作ることが、未来の安心につながります。


まとめ:世界の見え方が少し違うだけ

自閉症スペクトラムの方は、**「自分専用の特別なフィルター」**を通して世界を見ています。

そのフィルターは、細かな変化に気づけたり、ひとつのことを深く突き詰められたりする「才能」の源でもあります。私たちがそのフィルターの特性を理解し、通訳(サポート)をしてあげることで、お互いに心地よい世界を作っていくことができるはずです。

ここまで読んでいただきありがとうございました🙏