高齢化が進む中で、避けては通れないテーマのひとつが「認知症」です。

「最近、親のもの忘れが増えたかも?」「自分も将来、認知症になるのかな?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、認知症の基本的な知識から、代表的な「4つの種類」の特徴について、初心者の方にも分かりやすく解説します。


【認知症の基礎知識】単なる「もの忘れ」との違いと、知っておきたい4大疾患

まず、多くの人が疑問に思う「加齢によるもの忘れ」と「認知症」の違いから整理しましょう。

1. 認知症と「もの忘れ」はどう違うの?

結論から言うと、**「認知症は脳の病気」**です。

項目加齢によるもの忘れ認知症(病気)
内容体験の一部を忘れる(例:朝食の献立を忘れる)体験のすべてを忘れる(例:朝食を食べたこと自体を忘れる)
自覚「忘れた」という自覚がある忘れた自覚がない
進行進行は緩やか徐々に進行し、生活に支障が出る

現在、65歳以上の10人に1人、85歳以上では3〜4人に1人が認知症になると言われています。誰にとっても身近な疾患なのです。


2. これだけは知っておきたい「4大認知症」

認知症にはいくつかの種類がありますが、全体の大部分を占めるのが以下の4つです。

① アルツハイマー型認知症(もっとも多い)

脳の神経細胞が減り、脳が萎縮(縮む)していくタイプです。

  • 主な症状: 新しいことが覚えられない(記憶障害)、日付や場所がわからなくなる(見当識障害)、財布を盗まれたと思い込む(物盗られ妄想)など。

② 脳血管性認知症(脳の病気が原因)

脳梗塞や脳出血など、脳の血管の病気によって起こるタイプです。

  • 主な症状: できることとできないことがハッキリ分かれる(まだら認知症)、感情のコントロールが難しくなる、手足の麻痺や飲み込みにくさが出る。

③ レビー小体型認知症(幻視が特徴)

脳に「レビー小体」という特殊なたんぱく質が溜まることで起こります。

  • 主な症状: そこにいないものが見える(幻視)、手が震えたり歩きにくくなったりする(パーキンソン症状)、日によって頭がはっきりしたりぼんやりしたりする。

④ 前頭側頭型認知症(性格が変わる)

比較的若い世代(40〜60代)にも見られる、脳の前方や側方が萎縮するタイプです。

  • 主な症状: 感情が乏しくなる、急に怒り出すなど人格が変わったようになる、毎日同じ時間に同じ行動を繰り返す(時刻表的行動)。自分では病気の自覚がないことが多いのも特徴です。

3. まとめ

認知症は種類によって、現れる症状や接し方のコツが異なります。

  1. アルツハイマー型: 記憶のサポートが中心。
  2. 脳血管性: 生活習慣病の予防が重要。
  3. レビー小体型: 転倒や幻視への理解が必要。
  4. 前頭側頭型: 変化を病気として捉え、無理に正さない。

もし、「自分や家族の様子がいつもと違うな?」と感じたら、早めに専門家や地域包括支援センターへ相談することをおすすめします。早期に正しく知ることが、その人らしい生活を守る第一歩になります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙏

【参考文献】

  • 厚生労働省「高齢者介護研究会報告書(2015年)」
  • 医療情報科学研究所(編)『病気がみえる Vol.7 脳・神経』メディックメディア